「本当にそう思っているの?」と疑われない志望動機を書くには?(前編)

志望動機としてはもっともな内容なんだけど、どこか腑に落ちないことがある。

たとえば「メガコンピティション時代をサバイブできるグローバルな人材になりたい」とか「大学時代の専門性を活かしたい」とか、それだけが書いてある志望動機。
志望動機の内容はまったく正しい。論理にも破綻がない。


でも、読み手として僕はどこかが腑に落ちない。
それは、「本当にそう思っているの?」という疑問に由来するんじゃないかと思う。
つまり、志望動機と題された文章に実感がこもっていないために、あなたが思っているように読み手に感じてもらうことができないということ。


そこで、「どのようにして志望動機に実感をこめるか?」について考えてみます。


実感をこめるには「こういう体験をしたから こう思う」を志望動機に入れるべきだと思う。
言い換えれば、志望動機が次の2つのポイントをふまえているか、ということ。

  1. 自分の体験との接点が盛り込まれているか?*1
  2. 思い入れを自分なりに言語化できているか?*2


前者「1. 自分の体験との接点を盛り込む」だと なぜ実感がこもるのか?
それは、自分の体験との接点を盛り込むことで 読み手に志望の背景を“追体験”させることができるからだと思う。
そもそも、仕事/職種/企業を志望しているのはそれを志望するに足る体験があるからだろう。
だから、志望動機において自分の体験との接点を述べることで、志望するに至った経緯を読み手に追体験させ 自分が思うように感じてもらうことができると思う。


最後に「1. 自分の体験との接点を盛り込む」の具体例を示そう。「2. 思い入れを自分なりに言語化する」についてはまた次回。


<就職課の学生アドバイザーへの志望動機:友人のエントリーシートをいくつか添削していると、“第一志望”に対して切実な思い入れがあるにもかかわらずその思い入れがわかりよく言葉になっていないと感じることがあります。エントリーシートの内容についてあれこれ尋ねていって、やっと「なるほど。第一志望なんだなあ」と納得。その人なりの思い入れをわかりよく言葉にすることでもっと多くの人たちが選考を次に進めていけるのではないか。だから僕は、学生アドバイザーとしてエントリーシートをわかりよく表現するサポートをしたいと思います。*3

(この例において 志望動機と自分の体験の接点に相当するのは「エントリーシートの添削」であり、自分なりの思い入れに相当するのは「その人なりの思い入れをわかりよく言葉にすることでもっと多くの人たちが選考を次に進めていけるのではないか」である。)


後編につづきます。

*1:「こういう体験をしたから」の部分に対応。

*2:「こう思う」の部分に対応。

*3:60点。